高温粒子群を通過する気液流れ: 右図に示す形状の異なる粒子群 (porous dam) を通過する自由液面流れ (ダムブレイク流れ) の3次元計算です。四面体要素で表現された各粒子の間隙を流体が通過します。粒子群を高温に、また液体とその上部の気体を低温に設定し、流れと熱の連成現象の計算を行いました。液体は粒子群の間隙を左から右に通過し、気体は上部で逆に右から左へと流れ、その過程で粒子群の熱が各流体へ移動する現象が計算されました。並列処理により、高速計算を実現しています。地熱発電や各種冷却問題などに応用できると期待されます。
粒子層の底面浸入水による破壊過程: 静止した飽和粒子層に対して、底面から上方に向かう水を流入させます。すると、流入水は粒子の間を浸透して上方に向かいますが、流量が大きいと水流が粒子層を貫通して破壊に至ります。その過程を3次元並列計算で再現しました。右図の球形粒子層に対して、左図の礫粒子形状を考慮した計算では、粒子運動の非対称性や上部への飛び出しがより顕著になります。実験との比較により、この計算方法の妥当性が確認されています。地盤を構成する粒子層の浸透破壊や内部流動化などに応用できると期待されます。
沿岸都市モデル中へ輸送される津波漂流物群: 津波により沿岸の車両やコンテナなどが浮遊して輸送され、建造物間に流れ込む事象が発生することがあります。複数の漂流物が自由水面流れにより輸送される3次元数値実験を行いました。同様の計算結果は実験結果との比較により、妥当性が確認されています。スーパーコンピュータを使う並列計算により、大規模計算を高速に実行します。